2024/04/16
五月病というものがあります。
新学期・新生活、期の変わり目ということで、精神バランスが不安定になり、抑うつ・無気力・疲労感・焦り・不眠といった症状に悩まされることをいいます。
現代医学では、「適応障害」或いは「うつ病」と判断されがちで、抗うつ剤が処方されることが多いのですが、安易な服用はおすすめできません。
中医学の古典『黄帝内経(こうていだいけい)』には、『春に精神バランスを崩しやすい理由』とその対応方法が記されています。
長い年月を経て蓄積された漢方の知恵を、ライフスタイルに活用してみませんか?
肝気(かんき)と肝血(かんけつ)
冬に腎に蓄えた栄養を使って、春は肝が働きだす季節ですが、栄養が十分に蓄積されていないと正常に働けません。
肝気(かんき)は上へ昇る習性がありますが、上手に発散させてあげないと、精神活動が不安定になります。
緊張・ノイローゼ・パニック症候群・鬱病・ヒステリー・精神分裂症といった症状は、春に多いことが知られていますが、これは肝気が足りないかまたは肝気の流れが滞っていることが原因と考えて、補気(ほき)または疏肝理気(そかんりき)という方法で対応します。
また、肝に(同じく春に多い)風(ふう)が入ると、気分が沈み悲観しやすくなり、時々ひどく怒ります。この状態にある方は目の下が青いのですぐにわかります。
次に肝血(かんけつ)ですが、肝血(かんけつ)が十分に満たされていると「嬉しいことがあった時に目がキラキラする」というように精神状態と目の表現が結びつきます。
肝血の不足は目に表れるため、目の痛み・涙・充血・目やに・しょぼしょぼする、といった時は肝血が足りないと考え、補血(ほけつ)という方法で対応することになります。但し、白内障や老眼、かすみ目といった老化現象の場合は、腎の働きが低下していると考えますので、補腎(ほじん)という方法が適応されます。
春の養生法
朝はなるべく早く起きてカーテンを開けて日の光を浴びましょう
朝は散歩(または外気で深呼吸)をし、体をのびのびと動かしましょう
春が旬の野菜と果物をたっぷり摂りましょう
三寒四温、春は寒暖の差が激しい季節でもあります。暖かい日でも、薄手の上着を持ち歩き、衣服を上手に調整しながら体温を守りましょう。また、上半身は薄着でも下半身は冷やさないようにすることがポイントです。
春におすすめの漢方薬&オリエンタルハーブ
春におすすめの食物
アサリ・ハマグリ・シジミ・アワビ・レバー・ほうれん草・にんじん・うど・フキ・タラの芽・セリ・香菜・ネギ・生姜・枸杞子(くこし)・菊花・シナモン・薄荷・柑橘類などです。
自然界はうまく出来ており、その季節に合った食物が旬を迎えます。
また五感を大切にしてください。
「美味しく食べられるもの」
その食物があなたの体が必要としているものである事が多いのです。
気になる症状、なんとかしたい症状、お気軽にご相談にいらしてください。
あなたにピッタリの漢方薬・健康食品はもちろん、生活養生法や食養生のアドバイスも差し上げております。